【剣盾S20シングル 最終751位・レート1837】ダブル脱出サイクル

こんにちは。

剣盾ランクマッチシーズン20において、相棒のグソクムシャを使って自身初の最終3桁順位を達成できたので、構築記事を書かせていただきます。初めてなので至らない点もあると思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。

 

以下常体

 

 

使用構築

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結果

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TN:KOH

最終751位・レート1837

92勝58敗

 

構築経緯

グソクムシャ入りの構築を組むうえで、第7世代においてレート2100という記録を残しているグソクムシャアーゴヨンの並びにまず注目した。

↓参考元(問題があれば削除いたします)

能動回避とブーストブースト【シーズン15最終最高2110】 - 携帯獣雑考

要約すると「ムシャで削ってアゴで抜く」というコンセプトの構築である。

残念ながら冠環境におけるグソクムシャ入り構築の情報は全くなかったため、とりあえずムシャアゴの並びで試運転を行った。そこで得られた情報が以下の通りであった。

アーゴヨンがダイジェットを持たない、耐久が低い、一発目のダイアシッドの火力が低いことからダイマックス時の制圧力が思ったほど高くない。

グソクムシャが簡単にダイジェットの餌にされる。

・当初は珠グソクムシャを使っていたが、仮想敵としていたウーラオスやウオノラゴンなどに後出しが安定しない(後出しすると珠ダメで危機回避発動圏内まで削られることが多く、先制技を打つと引いてしまい控えに負担がかかる)。

従って、現環境でムシャアゴの並びを運用するには、

「ダイジェットに耐性のあるポケモンである程度のサイクルを回してアーゴヨンを確実に通す状況を作る」

アーゴヨンを抜きではなく削りとして運用し、別の強力なアタッカー、スイーパーを通す」

のいずれかの動きを意識する必要があると考えた。

 

以上の考察をもとに、

Pokémon-Icon 768.pngグソクムシャを広範囲に確実に仕事ができるHBSゴツメ、

Pokémon-Icon 804.pngアーゴヨンを相手に削りを入れながら対面操作ができる脱出パック型で採用。

さらに、

Pokémon-Icon 530.pngグソクムシャの天敵であるサンダーをはじめ、特殊アタッカーに広く対応でき、自らダイマエースにもなれるHD残飯ドリュウズ

Pokémon-Icon 233.png同じくグソクムシャの天敵であるカイリューボーマンダギャラドスなどを止められるHBポリゴン2

Pokémon-Icon 145.pngサイクル戦もダイジェットによる抜きも狙えるHC眼鏡サンダー

f:id:KOH_2323:20210206231424p:plainアゴやサンダーでは崩せない流行のガラルヤドキング入り受けサイクルを手っ取り早く破壊できるAS鉢巻悪ウーラオス

を採用し構築が完成した。

 

個体解説

グソクムシャゴツゴツメット

特性:危機回避

技構成:出会い頭/アクアブレイク/挑発/まきびし

実数値(努力値):181(244)-145-189(92)-x-110-82(172)

調整意図

 H:奇数

 B:余り(意地ウーラオスの暗黒強打2耐え、陽気鉢巻ウオノラゴンのエラ噛み高乱数2耐え)

 S:無振り61属抜き(無振り60属抜き抜き)

相棒枠。仮想敵はウーラオス、ウオノラゴン、ラグラージマンムーフェローチェ、ブリザポスなど。これらのポケモンに後出しし、倒し切らずに削るだけ削って危機回避発動から裏に繋げるフェローチェトリプルアクセルに合わせて出せれば後出しから勝ててしまう。また、アーゴヨンの脱出やサンダーのボルチェンの引き先としても機能する。

こちらに草技を持つポケモンがいない都合上ラグラージを呼ぶので、初手にグソクムシャを投げて上から挑発を打って展開を阻止できる。ついでに初手カバルドンにも対応できるが、カバは初手ではなく裏から出てくることが多かったので微妙だった。ドサイドンに上から水技を打てるのもSに振った恩恵のひとつだが、結局ムシャドサイ対面が発生しないままシーズンが終わってしまった。

火力がない都合でまきびしを採用してみたが、活きた機会は少なかった。とはいえ、特にあの技が欲しいというような状況もほとんどなかった。相手のダイマを誘発しやすいので堪えるなども有りかと思ったが、堪えたタイミングで積まれるのが怖すぎて採用できなかった。要検討枠。叩き落とす返してほしい。

ダイマ適性の全くないポケモンではあるが、ラス1に残して危機回避が発動しないようにしてからダイマする動きを2回ぐらいやった。

終盤ウオノラゴンやブリザポスと全く会わなくなって選出機会が減ったうえ、幾度となくダイジェットの餌にされてしまったが、想定通りの動きができた時は気持ちよかった。選出率5位。

 

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アーゴヨン@脱出パック

特性:ビーストブースト

技構成:流星群/ヘドロウェーブ/大文字/悪巧み

実数値(努力値):148-x-93-179(252)-94(4)-190(252)

調整意図

 CS特化(ダウンロード意識で余りD)

少し前に流行った(らしい)脱出パックアーゴヨン。通りそうであれば初手に投げ、流星群で削りを入れながらサイクルを回す。飛んできやすい地面技や氷技はグソクムシャで受けられる。流行ったとはいえ最近は数が減ったこともあり、脱出パックによる動きはあまり警戒されなかった。

悪巧みによる崩しも可能。この枠は当初毒毒だったが、悪巧みの方が結果的に使う機会が多いと感じた。

威嚇を貰うと即撤退してしまうので悲しい気持ちになるが、裏からトレースポリ2を投げて威嚇を返せるので展開としては悪くない。

ガラルヤドキングを強烈に誘い、実際無力なのだが、流星脱出からウーラオスドリュウズを出して展開を取ることが可能なので普通に選出していた。

ミミッキュ入りには出してはいけない。

サイクル戦をするにはやはり耐久が足りず、扱いは難しかったが、出せる構築の見極めと立ち回りに注意すればいい活躍をしてくれた。選出率4位。

 

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ドリュウズ@食べ残し

特性:砂かき

技構成:地震/角ドリル/ステルスロック/岩石封じ

実数値(努力値):217(252)-155-80-x-122(204)-115(52)

調整意図

 S:砂下で最速フェローチェ抜き

 HD:余り

MVP。サンダー、ウツロイドジバコイルカプ・テテフといった特殊アタッカーに投げてハメることができる。熱風持ちの珠サンダーに対しても、ダイジェットに後出し→ダイウォール→ダイバーンを耐えてダイロック(ダイバーン持ってなさそうならダイアタックでのS下降からダイロック)で切り返すことができる。

他のサンダー受け候補としてドサイドンヒードランバンギラスなどがいたが、他の特殊ポケモンの草結びによる役割破壊を受けない点(ドリュウズへの草結びのダメージは60なのでほとんど効かない)、ボルチェンを止められる点を評価してドリュウズの採用となった。

ダイロックで砂を撒いて自らスイーパーになれるのも評価点。

さらにドリルを搭載することでポリゴン2をはじめとする耐久ポケモンを誘い殺すことができる。こいつに後投げされてくる数多のポリ2やクレセリア、羽休めで粘ってくるサンダーをドリルで粉々にしていった。ポリ2のアイアンテールがほとんど効かないのも偉い。

グソクムシャとの相性補完もよく、炎技以外の一貫を切ることができる。一方ランドロスやエースバーンの技が一貫するので同時選出する際は注意が必要。

鋼技を搭載していないが、上記の理由によりメインウエポンの地震、対耐久だけでなくダイアタックも優秀なドリル、サイクル戦に強くなりダイウォールの媒体になれるステルスロック、ダイロックで砂を撒けてサンダーへの打点になり非ダイマ時も色々便利な岩石封じで完結しており、スペースがなかった。このためピクシーやニンフィアへの遂行が遅くなったりミミッキュへの役割が持ちづらくなったりと弊害はあったが、それ以上に上述の強みが勝っていた。

グソクムシャがサンダーを、こちらのサンダーとアゴウツロイドを強烈に誘うこともあり、大半の試合に選出して勝ちを量産していた。選出率1位。

 

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ポリゴン2@進化の輝石

特性:トレース

技構成:自己再生/電磁波/トライアタック/冷凍ビーム

実数値(努力値):191(244)-x-156(252)-125-116(4)-81(4)

調整意図

 H:奇数

 B:振り切り

 D、S:余り

物理受け。ランドロスカイリューなどの物理アタッカーを比較的安定して止められる。電磁波による裏のエースの補助や、ドリュウズと合わせてTODを狙う動きが強力だった。

個人的な話だが、冠環境でランクマに潜るのが今シーズンが初めてで、ポリ2の予備知識が足りておらず、ポケモンHOMEの採用率が高いからという理由でHBダウンロードで使っていた。ところが最終日前日辺りにくろこさんがYoutubeに上げた動画で「HBDLはいないだろ...」みたいなことをぼそっと言っていたのを聞いて己の無知に気付き、これが型の修正のきっかけになった。実際HBトレースの方が絶対に強かった。

技構成についても最後まで迷走し、イカサマや放電が入ったり抜けたりした。いまだに正解が分からない。

こんなガバガバな運用でも、使えば使うほど最強ポケモンに見えてきて恐ろしかった。選出率2位。

 

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サンダー@拘り眼鏡

特性:静電気

技構成:ボルトチェンジ/羽休め/熱風/暴風

実数値(努力値):197(252)-x-105-187(196)-110-128(60)

調整意図

 H:振り切り

 C:余り(11n)

 S:S+1で最速アーゴヨン抜き

サイクル兼ダイマエース要員。控えめメガネの火力はあまり考慮されないらしく、舐めて居座ってきたテッカグヤなどを分からせたりした。ダイマ時も十分な火力が出るのでとても頼りになった。

ダイマをよく切る関係で10万ボルトを抜いてダイウォール媒体の羽休めを採用。10万が欲しい場面は無かった。

終戦においてHP4残しからの最速起き暴風をキメてくれたとんでもない自覚の持ち主。S調整した分の努力値をHとCのどちらに振り切るかは悩み所だったが、結果的にこの場面でH振りが活きてくれた。

さすがにマークが厚く出せない試合が多かったが、電気の一貫のある構築には積極的に選出して暴れてもらった。選出率6位。

 

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悪ウーラオス@拘り鉢巻(キョダイマックス個体)

特性:不可視の拳

技構成:暗黒強打/不意打ち/毒突き/インファイト

実数値(努力値):175-182(252)-120-x-81(4)-163(252)

調整意図

 AS振り切り

途中までフェローチェを使っていたが、流行中のガラルヤドキング入りサイクルへの明確な解答が必要だと思い採用に至った。使ってみたら鬼のように強かった。対受けサイクル以外にも、持ち前の数値を生かしたゴリ押しや不意打ちによる縛りなどが強力で、出したら活躍してくれた。

ヒレが重かったので毒突きを役割破壊技として採用した。しかしスカーフレヒレが非常に多かったため、交代読みで打つか、トリックを誘発させて上を取ってから打つなどの工夫が必要だった。幸いポリ2にトリックしてくるスカーフレヒレが結構いたので何とかなることが多かった。

ダイウォール媒体の補助技を入れることも検討したが、こいつに関しては非ダイマ時の性能がえぐすぎたのでこの技構成で完結した。

なぜ最初から使わなかったのかと後悔した。選出率3位。

 

基本選出

f:id:KOH_2323:20210801151505p:plainf:id:KOH_2323:20210801151617p:plainf:id:KOH_2323:20210801151749p:plainから2匹

f:id:KOH_2323:20210801151806p:plainf:id:KOH_2323:20210801151532p:plainf:id:KOH_2323:20210206231424p:plainから1匹

相手の構築への刺さり具合を見てこれとは異なる選出をすることも多かった。本来のコンセプトであるグソクムシャアーゴヨンの同時選出は結果として少なくなってしまったが、それぞれ他の組み合わせでもうまくやれていた。

 

キツい相手

Pokémon-Icon 815.pngエースバーン

全体的に技が一貫してしまっているので、サンダーかアーゴヨンで先に展開するか、ポリ2で無理やりダイマを合わせて受け切る必要がある...のだが、なぜかあまり選出されなかった。エスバ使い視点どう見えているのか気になるところ。

Pokémon-Icon 798.pngカミツルギ

同じく技が一貫してしまっている。とりあえずサンダーを投げるが、ギガインパクト持ちだとキツい。エスバと違ってほぼ確実に選出された。

Pokémon-Icon 006.pngPokémon-Icon 637.pngPokémon-Icon 485.png特殊炎アタッカー

特殊受けをドリュウズに一任している都合でサイクルが成立しない。早めにステロを撒くかドリュウズを通す動きを狙って何とかしていた。

 

以下敬体

 

最後に

去年の秋を最後にランクマには潜っていませんでしたが、某部屋での対戦企画が冠仕様のグソクムシャ構築を組むきっかけになりました。さらに、シーズン20が冠環境での実質最後のシーズンになる可能性があるということで、せっかくなので頑張って潜ってみました。結果的に自己最高順位を更新して最終3桁を達成できたのでとても嬉しいです。

しかし、グソクムシャやポリ2の型が依然迷走していたり、色々と詰め切れていない点もありました。まだ上を目指せそうな雰囲気もありましたが、リアルとの兼ね合いもあり、1か月ではちょっと時間が足りませんでした。

 

来シーズンはルールが変わるので構築記事としての有用性は低いかもしれませんが、相棒のグソクムシャをここまで連れてこれた記念の意味も込めて記事を書きました。

 

来シーズンのダイマ無し禁伝有りルールは非常に興味深く、ダイジェットがない分グソクムシャが動きやすそうに見える反面、この物理耐久をもってしてもザシアンに対して後出しが成立しないなど、やはり色々厳しいのかと想像しています。

いずれにせよしばらく個人的にとても忙しくなるので、今期ほどしっかりランクマに潜ることはないと思います。

またダイパリメイクか次世代でお会いしましょう。

 

謝辞

盾ROMとSwitchを貸してくれたKくん

対戦企画にて死闘を繰り広げたわっとう。さんと盛り上げてくれた某部屋の皆さん

 

ここまで読んで下さりありがとうございました。

 

更新履歴

2021年8月4日 加筆修正